宝蔵院胤栄守り本尊 摩利支天石(まりしてんせき)
興福寺三重塔横(柵の外にあります)

 猿沢池に映る三日月を突いて鎌槍の操法をあみ出した宝蔵院流槍術の祖・覚禅房法印胤栄が、宝蔵院の庭の大石に摩利支天を祀り、武道の上達と槍術成就を祈念し稽古をしていたということです。宝蔵院は、興福寺の子院で現在の国立博物館の位置にありましたが、明治の廃仏毀釈の時に国に没収され取り壊されてしまい、その後、摩利支天石は在家の庭に遷されていたのですが、平成11年5月31日、現在の場所に鎮座することになったそうです。

摩利支天 マリシは梵語で威光とかカゲロウと訳され、元はインドの風神。中世には護身、隠身、得財などの神様として武士の守護神として大いに信仰を集めた。摩利支天を本尊として護身・隠身の法を修することを摩利支天法という。