法隆寺 三経院と西室

法隆寺三経院及び西室
 ほうりゅうじさんきょういんおよびにしむろ

国宝<鎌倉時代> 1棟 附指定 棟札1枚
鎌倉前期の1231年(寛喜3)に再建
桁行十九間、梁間正面五間、背面四間、一重、妻入、本瓦葺、
正面一間通り庇付、向拝一間、檜皮葺
 1908.04.23(明治41.04.23) 重要文化財指定
 1955.02.02(昭和30.02.02) 国宝指定

 西院回廊の西方に建つ桁行十九間の南北棟建物で、南七間を法華(ほっけ)・勝鬘(しょうまん)・維摩(ゆいま)の三経を講ずる三経院、北十二間を西室とする。伽藍創建当初はもっと西回廊の近くにあり全体が僧坊であったが、承暦年間(一〇七七ー一〇八一)に焼失した。現在の建物は寛喜三年(一二三一)に再建されたもので(棟木銘)、後方の西室部分はややおくれて文永五年(一二六八)に建立された可能性が大きい(柱底墨書)。嘉元三年(一三〇五)、貞和五年(一三四九)に内部の改装などを行い、その後も間仕切りの改造が数多く行われたが、昭和の解体修理によって三経院のみ復原され、西室は外観を整備し、内部は柱列だけ復して、間仕切りのない広い一室となっている。
 西室北端の一間のみ土間床で他は前面板敷とし、三経院の三方には高欄付の縁を設ける。三経院の広庇は吹放し、主屋正面五間に蔀戸、両側面に板扉、蔀戸、連子窓を設ける。西室は扉と連子窓の組合わせで構成され、北端間に板扉を入れ、背面は全部壁である。
 軸部は自然石礎石に丸柱を立て、地覆、足固貫、縁長押、内法長押、頭貫で固め、組物は大斗肘木、軒は角垂木一軒とし、広庇は大面取の角柱上に舟肘木をおき、一軒疎垂木である。
 三経院は寝殿造の対屋を思わせる住宅風仏堂であり、西室は二間一房制の僧坊の外観をよく伝える。

2月5日(午前10時〜) <三経院> (参拝可)
『西遊記』の三蔵法師で名高い玄奘三蔵の遺徳を奉讚する祖師法要です。この行事は幕末まで連綿と厳修されてきましたが、明治初年に中断され、昭和58年に伝統行事復興の一環として約120年ぶりに再興し、可能なかぎり古式に復することにつとめています。現在も毎年、夏安居の3ヶ月間(5月16日〜8月15日)、法華経・維摩経・勝鬘経の講義を行っているそうです。

引用文献   『文化庁国指定文化財等データベース』・行事は『法隆寺のHP』
 
法隆寺諸堂の写真と解説 《法隆寺境内図
上宮王院夢殿 絵殿と舎利殿(上宮王院) 礼殿 (上宮王院) 東院鐘楼
東大門(中の門) 聖霊院(納経所) 鐘楼 網封蔵(こうふうぞう)
南大門 中門 百済観音堂 東室
五重塔 大講堂 金堂 廻廊
三経院と西室 西室と西室の門 西円堂 大垣
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