姫路城

写真左 姫路駅方面からの遠景
写真上 世界遺産記念石碑

姫路城
別名 白鷺城(はくろじょう・しらさぎじょう)

世界文化遺産

兵庫県姫路市本町68番地

 5重6階の大天守と3つの小天守が渡櫓(わたりやぐら)でつながる連立式天守閣、白漆喰総塗籠造(しろしっくいそうぬりごめつくり)の外装。華やかで美しい構成美を織りなす名城として知られる姫路城。日本に12箇所しか現存しない、「江戸時代以前に建造された天守を有する城郭」の一つ。「国宝四城(この頁最下段に注釈)」の一つでもある。『しらさぎじょう』という呼び方もされるが、日本の城郭の異称は基本的に音読みだそうでこの読みは正しいものではないということです。

城の歴史

 一番最初に姫路城を建てたのは当時播磨国上郡で勢力を誇っていた豪族の赤松貞範(さだのり)。1346年に姫山に小さな山城を築いたのが姫路城の始まりとされています。
 その後、織田信長の中国討伐の拠点として、羽柴秀吉が天生八年(1580年)に姫山の小城を三層の本格的な天守閣に改築をします。

 現在の姫路城は、現在の姫路城は徳川家康の命をうけ、家康の二女督姫を妻とする池田輝政が城主に選ばれ建てられたもの。桜井源兵衛という棟梁の指揮で、慶長6年(1601年)から、のべ2千万〜5千万人ともいわれる人員を動員し8年がかりで建てられました。

 江戸幕府が倒れ新政府が発足、明治政府にとっては城は無用の長物でした。明治の初めには天守も取り壊されかけましたが、解体のための費用も莫大にかかることから競売にかけられ、落札価格は23円50銭でした。落札した神戸清一郎氏は、城の瓦や釘を売るつもりでしたが使えないことがわかり、解体費用がかかりすぎるとの理由で結局その権利を放棄してしまいます。
 1874年(明治7年)には姫路城内に歩兵第十連隊が設置され、本城などの三の丸の建物や武蔵野御殿、向屋敷などの数多くの貴重な建物が取り壊されました。
 1877年(明治10年)頃には、世の中も落ち着き、日本の城郭を保存しようという動きが見られるようになります。そんな折、陸軍において建築・修繕を担当していた当時陸軍省第四局長代理中村重遠(なかむらしげとう)大佐という人が、姫路城のすばらしさを後生に残すべきだと考え、陸軍卿の山形有朋に、陸軍省の費用で姫路城を永久保存するための修理をすべきだと意見書を出したのです。この意見書のおかげで1879年(明治12)に姫路城の保存が決定しました。
 「菱の門」の近くに中村大佐の碑が建てられています。
その後、1882年(明治15年)には失火で備前丸を焼失しています。

 姫路城は戦にまみえることなく、また奇跡的に戦災から逃れることが出来、昔のままの姿を今に留め、日本における近世城郭の代表的な遺構として極めて貴重な文化遺産となっています。

 姫路城は法隆寺とともに1993年12月11日、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界遺産リストに『姫路城』として登録されました。

◎ まもなく平成の大修理が予定されています。
2009年(平成21年)度着工、2014年(平成26年)度竣工予定。
その期間、天守閣には覆いがかぶされ今の美しい外観は見られなくなるようです。

姫路城の主な年中行事

1月1日 天守閣長壁神社元旦祭(献茶)
 (元旦)は無料で登城できます。
4月上旬 姫路城観桜会(三の丸)
4月6日 しろの日
 この日の前後に、非公開部分を公開する「姫路城特別公開」も行っています。
4月下旬 姫路城献茶式(裏千家、天守閣)
6月1日 姫路城修復記念献茶式(表千家、天守閣)
6月22〜24日 ゆかた祭(姫路城、長壁神社)
8月 姫路お城まつり(姫路城周辺)
   姫路城薪能(三の丸)
中秋の名月の日 姫路城観月会(三の丸)
10月中旬〜11月中旬 姫路城菊花展(三の丸)

データ

大天守の高さ
 姫山(標高45.6m)、石垣が14.85m、建物が31.5mで合計すると海抜92mになる。
心柱の大きさ
 東西に2本、高さ24.6m、根元直径95cm、末口42cm
面積
 内曲輪(うちくるわ)内の面積は23ha(230,000m2)。内曲輪内の面積は甲子園球場の約5.9倍。
 外曲輪(そとくるわ)内の面積は233ha(2,330,000m2)。外曲輪内の面積は東京ドームの約50倍の面積。
国宝
大天守、東小天守、西小天守、乾小天守、イ・ロ・ハ・ニ・の渡櫓(やぐら)の8棟
重要文化財
化粧櫓、ニの櫓、折廻り櫓、備前門、水の一門、水の二門、菱の門、い・ろ・は・にの門、ぬの門など74棟

交通
JR・山陽電鉄姫路駅から北正面に見えます(約1km)。
姫路駅北から徒歩約15分。バスでは約5分


(注釈) 「国宝四城」姫路城以外で国宝に指定されているお城
◆ 松本城
松本市。1593年(分禄2年)から翌年にかけて石川氏の築城。天守閣は現存する五層天守の中では日本最古のもの。
◆ 犬山城
犬山市。1537年(天文6年)、信長の叔父・織田与次郎信康の築城。日本最古の城として知られる。日本で唯一個人の所有のお城。
◆ 彦根城
彦根市。1622年(元和8年)、井伊直継と2代藩主直孝による築城。約20年かけて完成された城。世界遺産に登録申請中。

   

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